【次世代ティーンズウォッチ】『盛れる』ための加工は当たり前。10代女子のトレンド(2019年4月号)
女性トレンドニュース
2019 Vol.23

2022年からは18歳で成人、消費リーダー予備軍となるティーンズのリアルをウォッチしていきます。
『盛れる』ための加工は当たり前。10代女子の加工トレンド
10代の女性たちにとって、Instagram は最も身近なSNSである。自分の理想、憧れ、好きを詰め込んだ宝箱のような場所だからこそ、こだわりも強く、自分が納得のいく1枚をアップすることに余念がない。その上で肝心になってくるのが、写真加工の技術だ。スイー ツ、コスメ、お出かけスポット、セルフィーなど様々な対象があるが、撮った写真をそのままInstagramにアップする人は少ない。またそれは物撮りや風景だけではなく、自身の容姿に対しても同様だ。より素敵な、理想的な自分像に近づけるために盛れる写真アプリを使った撮影や加工は当たり前のこととなっている。 最初から加工をすることを前提として、とっておきの1枚を撮影するため、 撮り方にもコツがある。例えば、アプリを使って目を大きくしたり小顔に見せたりする加工をしようとすると、加工している際に“空間の歪み”が生まれてしまうことがある。それを防止するために、明らかに歪んだことがわかってしまう背景の前では撮影しない。また、顔回りに余計なものがあると加工しにくいので、手や髪の毛が重ならないようにするなど、日々細かい工夫をしている。
ローリエプラス編集部のインターン生が撮影・加工した写真のビフォーアフター。複数のアプリを使い、彩度や明度を適宜加工している
通常のカメラは“盛れない”ものとされ、顔写真を撮るときには敬遠されがちだ。そのため、最初から盛れるアプリで撮ってくれる友達への信頼は厚い。また、加工はある程度の手間や時間を有するものなので、人物を撮影するときには最初から盛れるアプリを使って撮影する人も多い。以前からから定番人気として使われているのが 「BeautyPlus」や「B612」で、最近ではそこに「ULIKE」や「SODA」といった新カメラアプリが台頭してきている。特にULIKEは今、若い女性の支持を集めているカメラアプリだ。輪郭や目の大きさなど20パーツをそれぞれ細かく調整できるので、自分好みのバランスで加工しやすい点が人気の秘密である。少し前まで加工は「ちょっと恥ずかしいこと」「隠すこと」という風潮があったが、人気インフルエンサーが加工していることを隠さず公表しはじめた2018年ごろからネガティブな印象はなくなった。加工スキルは人によって違いがあり、上手な子の方法をまねる人も多くいる。インフルエンサーがストーリーズで質問募集をすると写真加工の仕方などを質問するフォロワーは多く、加工スキルが高い女子は「真似したい」「参考にしたい」と憧れの存在にもなりうるのだ。 何を撮るか、どんな風に撮るかに加え、加工スキルを駆使して少しでも理想の自分に近づける努力を写真の中でも怠らないのが今時女子なのである。
遠藤優華子
エキサイト株式会社が運営する、かわいくなりたい女の子を応援するメディア「ローリエプレス」編集長
https://laurier.press/
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