【注目ビジネス】お客さまとのコミュニケーション・提案を重視。都心の2~6坪で年商8億円の「旬八青果店」(2017年12月号)
女性マーケティング特集
2017 Vol.7

都内に8店舗を展開する「旬八青果店」の店先は白いのれんが目印
株式会社アグリゲート
1店舗月商400万円。年商8億円を見込む2~6坪の青果店
株式会社アグリゲートが展開する「旬八青果店」の勢いが止まらない。東京都内に8店舗で、いずれも2~6坪と小規模だ。しかし多くの店舗が月に400万円以上を売り上げ、お弁当を販売する「旬八キッチン」は1200万円に達することも。年商は今期8億円を見込む。
店頭に並ぶ野菜はワンコイン以下がほとんどで、タイムセールで100円というものも多い。珍しい食材もあるが、POPには下処理やアレンジの方法が書かれている。「お値打ち価格でわかりやすい」。これが旬八の特徴だ。
店頭に並ぶ野菜はワンコイン以下がほとんどで、タイムセールで100円というものも多い。珍しい食材もあるが、POPには下処理やアレンジの方法が書かれている。「お値打ち価格でわかりやすい」。これが旬八の特徴だ。
お弁当は旬の野菜が大きく乗っている。写真は「鶏の塩麹焼き弁当」550円
都市部の人に新鮮な野菜を適正価格で食べてほしい
旬八のコンセプトは「新鮮・おいしい・適正価格」。代表の左今克憲さんは学生時代に上京し、「野菜の値段が高い」と感じた。安いものは質が悪い。都市部の人が新鮮な野菜を適正価格で気軽に買えるようにしたいと思ったことが旬八のオープンにつながった。「質の良い高級品だが規格外」という青果を生産者から直接仕入れ、スーパーと同等の価格で販売する。当初はマルシェなどに参加し、旬八の考えが受け入れられやすい地域を探った。その結果、出店地域は東京の中でも目黒区、港区、品川区周辺に限定。「おいしい野菜を食べたい」という都心の消費者のニーズに響き、野菜やお弁当が日々売り切れるようになった。
お客さまと野菜の旬に合わせた食べ方の提案に注力
売場で重視することはお客さまとのコミュニケーションだ。積極的に会話をし、「今日、何食べるんですか?」といった会話からメニューに合わせた調理法を提案する。スタッフは野菜の試食を欠かさず行うため、実感が込もっている。たとえば大根は出始めの時期は「辛味が強いので大根おろしに」、寒さが深まると「甘いのでサラダにどうぞ」と提案を変える。洋梨には「硬めがお好みの方は今!あと2日ほど経つと柔らかくなります」というピンポイントな内容のPOPが付いていた。
パパイヤなどあまりなじみのない食材でも、下処理やアレンジの提案があり購入しやすい
こうした提案は日々の献立に悩む女性の味方となるだけでなく、普段は料理をしない男性も購入のきっかけになるという。さらに普段からコミュニケーションを取ることで購入者から「おいしかった」「微妙だった」という感想も返ってくる。おいしくないと言われれば、生産・流通の現場で原因を探り改善する。旬八は生産者・消費者の両方と直接つながりながら、2020年までに50店舗への拡大を目指している。
COMPANY DATA
株式会社アグリゲート
東京都品川区西五反田1-23-7 五反田シティトラストビル 2F
PHONE:03-6417-4948
SITE:https://agrigate.co.jp/
旬八青果店SITE:http://shunpachi.jp/
東京都品川区西五反田1-23-7 五反田シティトラストビル 2F
PHONE:03-6417-4948
SITE:https://agrigate.co.jp/
旬八青果店SITE:http://shunpachi.jp/
Review
女性が重宝する提案が男性集客にもつながっている事例。丁寧に教えてくれるスタッフがいる店舗は信頼感が増す。企業への弁当配達も実施。おいしい野菜を食べたい都心のビジネスパーソンにおすすめ。