【特集】「欲しい」をお客様と一緒につくる(2017年8月号)
女性マーケティング特集
2017 Vol.3

地域と創る、お客様と創る「価値共創」のカタチ
「共創」とは、商品を第三者と共に創ること。さまざまな共創のカタチを紹介しながら、今から取り組む場合の着眼と今後の可能性を探る。 (文/日野佳恵子 企画/加藤沙貴子)
「共創」とは、商品を第三者と共に創ること。さまざまな共創のカタチを紹介しながら、今から取り組む場合の着眼と今後の可能性を探る。 (文/日野佳恵子 企画/加藤沙貴子)
共創経営:マルイ
「欲しい」をお客様と一緒につくる
「マルイのラクチンシリーズはいいですよね」。最近、女性たちから「ラクチンシリーズ」という言葉をよく耳にする。「マルイはお客様の意見を取り入れていますよね」との評価も聞く。関東だけかと思いきや、本誌創刊号(2017年6月号))の地域トレンドニュースでは福岡から「博多マルイは地元のお客様に意見を聞き、オープンして話題」という報告記事もあった(review.herstory.co.jp/trend_news/LpNu1)。小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルで成長してきたマルイグループ。近年は、店舗・カード・WEBの三位一体型ビジネスを掲げ、「ネットで商品を見て店舗で試着」やその逆に「店舗で気に入った商品をタブレット端末で決済して、手ぶらで帰宅。商品は後から自宅に届く」など消費者視点で買物そのものもラクチン化が進む。WEB通販と店舗の在庫は一元管理され、ユーザーインタビューでお客様からの意見もダイレクトに収集できる。
2000名の声から誕生したラクチンきれいシューズ
お客様の声を徹底的に聞き共創する商品群「ラクチンシリーズ」は、2009年にシューズ開発からスタート。靴に対するお客様の不満や悩みを直接アンケートやモニター会で聞き(写真①)、満足してもらえる靴を探った。業界関係者や社内からは当初「売れないのでは?」と言われたが、これまでに1000足以上のシューズが生まれ、パンツ、カバン、スカート、トップスなどにも拡充。シリーズ売上は0.7億円(2009年度)から52億円(2016年度)まで成長している。スタート時からニーズの高いシューズは特にお客様の声に応え、サイズ展開の拡大(写真②)や、パンプス以外にもローファーやスリッポンなどさまざまな種類を開発。
コミュニティサイト「シューズLABO+」(shoeslabo.0101.co.jp)では、靴や足のプロによるコラムでお悩み解消のサポートや、ブログで開発商品の進行を公開している。さらに商品の人気投票を行うことで評価を確認して発注に活かすなど、一連の流れが完成している。
商品は、常設店舗はもちろん各地のショッピングモールなどで期間限定の体験ストアを開催しファンを増やしている。靴はやっぱり試着したいというニーズが強い。豊富なサイズを好きなだけ履き放題で、注文はタブレット、受け取りは無料宅配(図④)。荷物を持たずに帰れるのも女性にはうれしい。マルイは消費者の不満や負担を購買プロセスすべてのタッチポイントで軽減する努力が見られ、今後の理想的な販売モデルと感じる。
商品は、常設店舗はもちろん各地のショッピングモールなどで期間限定の体験ストアを開催しファンを増やしている。靴はやっぱり試着したいというニーズが強い。豊富なサイズを好きなだけ履き放題で、注文はタブレット、受け取りは無料宅配(図④)。荷物を持たずに帰れるのも女性にはうれしい。マルイは消費者の不満や負担を購買プロセスすべてのタッチポイントで軽減する努力が見られ、今後の理想的な販売モデルと感じる。
近年は、商品構成などの店づくりやテレビCMに起用するタレントのイメージを聞くなど、幅広い領域でお客様と共同開発している。すべての事業プロセスにお客様視点を取り入れ、お客様と一緒にものづくり・店づくりを行う姿勢を、マルイは「共創経営※」として徹底的かつ継続的に行っている。
シューズラボプラス by 0101(マルイ)|靴と足の情報コミュニティ

靴や足について悩む全ての方を応援する情報コミュニティサイト。靴の手入れ・修理・ファッション・美容・ヘルスケアなど多彩な専門家によるコラムをお届け。さらに会員になると、商品開発アンケートや限定コンテンツなどに参加できます。
マルイの共創に対する取り組み、思いは「共創経営レポート2016」で詳細にわかる。
Review
「共創」という視点は、女性視点マーケティング®における根幹的な取り組みである。というのも女性には『産み育てる特性』が本能的にある。『産んで育てる』をマーケティングに置き換えると、「新しいモノやコトを産み出すことに関わりたい」そして「売れるまで育てたい」という気持ちにつながる着眼だからだ。
今回取材した先は、そんな女ゴコロをしっかりととらえているさまざまな事例だった。「共創」は女性客の「私がお世話した母性意識」も重なって拡大する。
今回取材した先は、そんな女ゴコロをしっかりととらえているさまざまな事例だった。「共創」は女性客の「私がお世話した母性意識」も重なって拡大する。
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シングルズキッズ株式会社