【特集】商品に余白を残す。仕上げはお客様。無印良品のMUJI YOURSELF(2017年7月号)
女性マーケティング特集
2017 Vol.2

ワタシが主役の場に集う。「共演」企画が惹きつける
忙しい女性増加によって買物時間は効率化したい一方で、出かけるなら思い出時間にしたい。
「買う」は「体験」から「共演」へ。
忙しい女性増加によって買物時間は効率化したい一方で、出かけるなら思い出時間にしたい。
「買う」は「体験」から「共演」へ。
無印良品
無印良品のMUJI YOURSELF
老若男女に支持されている無印良品。中国では昨年12月に200店舗を達成。今年度中にも、海外の店舗数が国内の店舗数を上回る予定だ。これほどまでに成長した無印良品は、着実に消費者のハートをつかんできた年月の積み重ねがあると思う。
どうしてここまで人気があるのか。その魅力を無印良品に囲まれて暮らしている友人に聞いてみると、「自分流にしやすいから」「ほかのものと合わせやすいから」という。シンプルというだけでなく実は個性が出せるからが最大の魅力という。柄や色がないからこそ柄物・色物とぶつからない。個性を出すためにあえて無印良品を基本に揃える。
どうしてここまで人気があるのか。その魅力を無印良品に囲まれて暮らしている友人に聞いてみると、「自分流にしやすいから」「ほかのものと合わせやすいから」という。シンプルというだけでなく実は個性が出せるからが最大の魅力という。柄や色がないからこそ柄物・色物とぶつからない。個性を出すためにあえて無印良品を基本に揃える。
商品を仕上げるのはお客様。考え方が店内のあちこちに
無印良品のものづくりには、お客様が商品購入後に加工しやすいように「商品に余白を残す」という考え方がある。代表的なサービスの一つにスタンプコーナーがある。紙製品を購入後、店内にあるスタンプコーナーで好きに押して自分だけのオリジナリルデザインに仕上げられる。そのほか布やTシャツへのプリントや刺繍サービスなど、購入後にお客様自身がオリジナルなデザインを作って楽しめるサービスが多数存在する。
ラインナップは季節によって変わる。母の日はカーネーションのスタンプなど、行く度に新しいスタンプで遊べるのも楽しい。子どもとのコミュニケーションの場として、親子で楽しむ姿も見られる。クリスマスなどのイベント時期は幅広い年齢層が訪れ、ラッピング用紙の在庫が無くなるほど利用が多くなる。
シンプルな暮らしがトレンドになってきた今、無印良品の戦略は先見性が素晴らしいと思う。シンプルだけどさりげなく自分らしさを出したい、自分のセンス、個性を出したいというのが今のお客様。最後の仕上げはお客様自身のカスタマイズで完成する、という考え方は今後も世界中に共感されていくだろう。
スタンプサービスをはじめ、さまざまなカスタマイズサービスを提供している無印良品。お客様からはこんなスタンプを置いて欲しいなどの要望もある。サービスが認知され浸透してきた証拠だろう。無印良品の「余白」は、モノがあふれる今、モノを大切にするためのゆとりでもあるように思う。お客様と「共演」して商品が完成する。ニクイほどに素敵だ。
Review
「共演」とは、お客様を主役にした企画をいう。イベントなどの参加型、体験型をより進化させ、お客様自身も売場に積極的に関わり、主体的に参画し、購買意欲を向上させる売り方。「大手だから」できているのではなく、「大手だって」の取り組みとして参考にしたい。人気の店は人気になるべくしてなる取り組みがある。リアルな店舗ならではの売場を使った楽しい買物スタイルは、女性客にこれからさらに求められていくだろう。
文/日野佳恵子 企画/加藤沙貴子
文/日野佳恵子 企画/加藤沙貴子
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