【特集】子どもが一人で服選びにチャレンジ!ユニクロの「はじめてのコーディネート体験」(2017年7月号)
女性マーケティング特集
2017 Vol.2

ワタシが主役の場に集う。「共演」企画が惹きつける
忙しい女性増加によって買物時間は効率化したい一方で、出かけるなら思い出時間にしたい。
「買う」は「体験」から「共演」へ。
忙しい女性増加によって買物時間は効率化したい一方で、出かけるなら思い出時間にしたい。
「買う」は「体験」から「共演」へ。
UNIQLO
ユニクロの「はじめてのコーディネート体験」
小学生の娘を持つママから「すごーく素敵なユニクロの企画に行ってきました!」と子どもの写真付メールが届いた。聞けば、子どもが一人で洋服を選んでコーディネートして親に見せてくれる企画という。11歳の娘さんの笑顔もかわいいが、親のほうがずっとうれしそうだ。「店に行くと、親は子どもの見えないところで待っていてくださいとアナウンスされ、スタートします。名札シールを貼り、店員さんと子どもだけで売り場へ。子どもが選んだ洋服上下のコーディネートをかごに入れて試着室に行きます。最後に子ども自身が鏡の前でいろいろ着たりポーズをとったりしてベストな1着をチョイスするんです。そこで店員さんが写真をパチリ。その後親が呼ばれてお披露目です!子どもも一人でやったという自信や充実感が得られたようで楽しんでくれて大満足でしたー。ユニクロってすごいですよねー」と親も大興奮での報告だ。
「で、洋服は買ったの?」と冷静に私。「買わなくてもいいらしいのですが、そこはやっぱり親の弱さ。かわいい娘がはじめて選んだコーディネート服ですよ、買いますよー。思い出です。ちなみに店内ではしっかり家族用の服もいろいろ買いました」とのこと。「さすがユニクロ」である。忙しい女性が多くなり、子ども自身も塾などにでかけるため平日は子どもとの接触時間が少ない。親にとっての買物時間は、同時に子どもとの接触時間を兼ねることが多い。その希少な思い出時間をどこでどんな風に過ごすかを考えて、親も行動する。せっかくならできるだけ自分たちが主役になって楽しめる企画を求める。
ユニクロのサービス開始のきっかけをグローバルPRチームの今泉くるみさんに聞た。「ユニクロの考え方『LifeWear』のもと、服の力で子どもの成長にも貢献したい、という思いから始まりました。子どもの自立性を育む『服育』施策と位置づけています」とのこと。第一弾は春に限定的に行われたが、実施店舗105店舗の予約はすぐに埋まった。第2弾は夏に予定している。ママたちのクチコミによると、今か今かとサイト更新を待っている様子だ。
「LifeWear」という考え方のもと、子どもの自立を育む服育
「子ども自身で服を選ぶことが子どもにとって楽しいことだと実感した」「コーディネートを披露してくれるときの、子どもの少し成長したうれしそうな顔が印象的」という親の感想は多い。子ども、親、祖父母の三者が喜び店も感謝される。そんなお客様と店が「共演」できる企画はこれからもどんどん支持されると感じる。
Review
「共演」とは、お客様を主役にした企画をいう。イベントなどの参加型、体験型をより進化させ、お客様自身も売場に積極的に関わり、主体的に参画し、購買意欲を向上させる売り方。「大手だから」できているのではなく、「大手だって」の取り組みとして参考にしたい。人気の店は人気になるべくしてなる取り組みがある。リアルな店舗ならではの売場を使った楽しい買物スタイルは、女性客にこれからさらに求められていくだろう。
文/日野佳恵子 企画/加藤沙貴子
文/日野佳恵子 企画/加藤沙貴子
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