【商品開発】懐かしいパッケージがお菓子や化粧品に。 サクラクレパスのコラボレーション商品 (2017年11月号)
女性マーケティング特集
2017 Vol.6

サクラクレパスのクーピー柄を使用した株式会社ナガトヤのクッキー
子どもの頃に使った画材「クレパス」や「クーピー」。そのパッケージデザインを新しい商品に利用する商品開発を紹介する。
株式会社サクラクレパス
新大阪駅構内のお土産ショップ。「これ なに?」と女性たちが立ち止まる。棚に置いてあるのは懐かしい「クレパス」と「クーピー」の箱だ。本物かと思いきや、中身はクッキーだという。SNSにも「かわい過ぎる」「欲しい!」という声が並ぶ。
ここ数年、このような「クレパス」「クーピー」のパッケージデザインを利用したコラボレーション商品が増えている。総合文具メーカー・株式会社サクラクレパスが、商品デザインを活かして他社商品の注目度をアップさせる手助けをしているのだ。
ここ数年、このような「クレパス」「クーピー」のパッケージデザインを利用したコラボレーション商品が増えている。総合文具メーカー・株式会社サクラクレパスが、商品デザインを活かして他社商品の注目度をアップさせる手助けをしているのだ。
食品から化粧品まで。売り切れ続出のコラボ商品
クーピー柄を使用したクレアモード株式会社のカラーマスカラ
これまでにコラボレーション商品を制作したのは約30社。せっけんに始まり、ラムネやお酒、タオル、バッグなど幅広い。
前述のクッキーを企画したのは株式会社ナガトヤ。サザエさん、ハローキティなどキャラクターもののお土産商品を数多く製造販売している。「クレパス×チョコサンドクッキー」「クーピー×ロールクッキー」は開発期間に10か月を要した。今年6月に新大阪などJR西日本の駅限定で先行発売されると売り切れが続出、新たな大阪土産の地位を確立しつつある。
化粧品とのコラボレーションもあった。クレアモード株式会社が企画したクーピー柄のマスカラとアイライナーは、パッケージだけでなく色も再現。通常は黒や茶色を使うマスカラ、アイラインを有彩色にする「カラーコスメ」の火付け役となった。
コラボレーション商品に柄の変形は認めず、仕上がりもすべてサクラクレパスがチェックする。形を変えても「サクラクレパスだ」とすぐわかり手に取ってもらえるブランドイメージを守っている。
前述のクッキーを企画したのは株式会社ナガトヤ。サザエさん、ハローキティなどキャラクターもののお土産商品を数多く製造販売している。「クレパス×チョコサンドクッキー」「クーピー×ロールクッキー」は開発期間に10か月を要した。今年6月に新大阪などJR西日本の駅限定で先行発売されると売り切れが続出、新たな大阪土産の地位を確立しつつある。
化粧品とのコラボレーションもあった。クレアモード株式会社が企画したクーピー柄のマスカラとアイライナーは、パッケージだけでなく色も再現。通常は黒や茶色を使うマスカラ、アイラインを有彩色にする「カラーコスメ」の火付け役となった。
コラボレーション商品に柄の変形は認めず、仕上がりもすべてサクラクレパスがチェックする。形を変えても「サクラクレパスだ」とすぐわかり手に取ってもらえるブランドイメージを守っている。
浸透した企業ブランドを新たな自社商品へ
サクラクレパスの開発チームによる、ロゴのサクラマークとクーピーのデザインを活かしたペン「002」
サクラクレパスはこれまで、筆記用具には企業ブランドを前面に出していなかった。しかしグループインタビューを通じ、サクラクレパスの企業ロゴにもあるサクラのマークが持つ「親しみやすい」「色鮮やか」「懐かしい」というイメージがプラスに働くとわかった。そこで「原点に立ち返り、サクラクレパスらしい筆記用具を生み出そう」と開発チーム「SAKURA craft_lab」を設立。9月中旬に発売したのが「001」と「002」という2種類のペンだ。「002」のコンセプトは“大人のクーピー”。サクラのマークとクーピーのモチーフを落としこんだ、大人女性向けの上品なペンとなっている。
自社商品とコラボレーション商品を通じ、幅広くブランドイメージを発信する株式会社サクラクレパス。長く親しまれてきたデザインを継承する今後の商品開発に注目したい。 ※「クレパス」、「クーピーペンシル」は、株式会社サクラクレパスの登録商標です。
自社商品とコラボレーション商品を通じ、幅広くブランドイメージを発信する株式会社サクラクレパス。長く親しまれてきたデザインを継承する今後の商品開発に注目したい。 ※「クレパス」、「クーピーペンシル」は、株式会社サクラクレパスの登録商標です。
COMPANY DATA
Review
幼少期に親しんだデザインを大人も使える形にリメイクすることで「懐か しい」「かわいい」と女性が手にとる。ブランドイメージを長年変えずに守り続けた結果、広く愛されることにつながっている。